2015念4月7日より
広島県福山市
サロン「薔薇と迷宮」にて”薔薇と祭壇”展を行います。
〒720-0065
広島県福山市東桜町8-2マルイビル1F
Tel:090-7377-8618
入場時、1drinkオーダーお願い致します。
会期中営業時間
通常15:00〜23:00まで
18日、19日の上映会当日は別
後ほど詳細をアップ致します。
お休み
12(日) 15(水) 16(木) 20(月) 23(木)
以下 美術評論家 小倉正史による評論
画家/アニメーション作家 中村智道
中村智道は、国際的には日本を代表する「ユニーク」なアニメーション作家です。「ユニーク」というのは、「他に類を見ない」、「独特な」(大辞泉)というように理解されるでしょうが、それだけではなく、語源的にはもっと強く、「ただ1つある」、「ただ1人でいる」と受け取れるでしょう。実は、この点が重要なのです。アニメーションは、現実には、集団的な組織体によって制作されるのが普通のありかたです。動くイメージを作りだすためには、何人もが共同して作業をするのが能率的だからです。ところが中村智道の場合は、音楽と声優は別ですが、そのほかのイメージにかかわる重要な作業と編集は、「ただ1人」でしているのです。国際的な映画祭の場で、中村智道のそうした制作のありかたが知られると,だれもが驚きあきれます。アニメーションは、もう、企業のようなかたちでしか制作されないというのが、常識になっているのでしょう。
この中村智道のユニークさは、もともと彼が画家であり、いまも画家でありつづけていることから来ています。絵画というアートでは、追求と制作は、ただ1人でするのが基本です。しかも彼は、その追求と制作を並の人以上の能力と努力によって押し進め、いまもその成果を示しつづけています。彼のイメージの出発点となるデッサンや絵具による彩色の技術的な厳密さには、どれほど彼が完璧さを求めて、1人きりでの研鑽を積んできているのか、如実に表れています。そしてまた、それこそユニークな、彼の精神と思想が、その追求と制作を根底において動かしていることが知られるのです。こうした彼の画家としてのありかたが、アニメーション作家としてのありかたと結びついていること、それが、通常のアニメーションとはかけ離れた、中村智道のアニメーション作品をもちびいているのですし、また,それが逆に彼の絵画に回帰して、通常の絵画ともかけ離れた、中村智道の絵画の世界を現出しているのです。
小倉正史